地下音楽通信

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NWW List 全部聴く第5回 Alternative TV - Vibing Up the Senile Man

ご覧いただきありがとうございます。

Alternative TVです。ポストパンクバンドということで、ようやく多少まともなロックが聴けるのかという安心感もありますが、今回はバンドの作品の中でもノイズ/インダストリアル寄りの作品を紹介していきます。実はバンドの重要人物のマーク・ペリーはロンドンパンクの発展に多大な影響を与えた人物なのですが、ここでは割愛させていただきます。

今回聴くアルバムはVibing Up the Senile Manです。なんとこのアルバムにはThrobbing GristleGenesis P. Orridgeが参加しているということで期待できそうですね。

 

では早速一曲ずつ紹介します。

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1. Release the Natives

 沢の音がバックで流れる。ドローンのような低音も鳴り響く。不穏な雰囲気がスロッビンググリッスルを髣髴とさせる。語りにも近いボーカルも特徴的である。

2. Serpentine Gallery

 鐘の音やグラスの音など生活音が断片的に鳴り響く一曲。

3. Poor Association

 不協和音のピアノに掴みどころのないメロディーのボーカルが展開される。

4. The Radio Story

 インダストリアルな雰囲気が全開。スロッビンググリッスルに近いアプローチで、ジェネシス・P・オリッジの表現の形態をオルタナティブTVに移したようにも感じる。シンプルなリズムをバックに何らかの訴えのような力強いボーカル。ラストは急にブラス楽器による不協和音と電子ノイズを組み合わさった奇怪な雰囲気が続く。

5. Facing Up to the Facts

 ここでも不協和音のピアノをバックに呪術的なボーカル。後ろではノイズが小さく鳴っている。

6. The Good Missionary

 同じく、不協和音のピアノに呪術的ボーカル。サウンド的な面では3曲名以降、ここまで地続きになっているような印象。

7. Graves of Deluxe Green

 ギターのようなノイズとドラムという演奏形態の大きな変化に対してボーカルの様子はあまり変化がない。

8. Smile in the Day

 フルートの美しい音色に対する一定のリズムで保たれた不協ノイズ。そしてフルートがフェードアウトしノイズのみの時間が流れる。すると急にピアノとベースのフリーな短いフレーズの連続が始まると同時に変わらぬボーカルが展開される。後半は2人の男性による低音ボーカル。この頃にいつの間にか弦楽器が鳴っていることに気づく。

 

やはりGenesis P. Orridgeが参加していることを意識して聴いてしまいますが、実際にThrobbing Gristleを髣髴とさせるサウンドで、これがGenesis P. Orridgeの影響なのか、Throbbing Gristleとの相互作用によって生まれたサウンドなのかは不明です。しかしThrobbing Gristleに対して、Alternative TVはより生の楽器のサウンドが特徴であるとも言えます。

皆さんもぜひ聴いてみてください。

ご覧いただきありがとうございました。

次回はThe 101ersです。

 

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