地下音楽通信

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NWW List全部聴く第8回 Amon Düül - Psychedelic Underground

ご覧いただきありがとうございます。

今回はAmon Düülです。Amon Düül ⅡではなくAmon Düül です。今回紹介するアルバムタイトル通り、サイケデリックアンダーグラウンドな音楽をやっていました。1968年にAmon Düül Ⅱが派生したそうです。ご存じの通りⅡのほうはクラウト・ロック、ジャーマン・プログレの代表バンドですが、そちらは次回紹介します。

 

では早速アルバムの紹介に移ります。

今回紹介するのは1st アルバムのPsychedelic Undergroundです。

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アートワークからアンダーグラウンドな雰囲気が漂います。

 

1. Ein Wunderschönes Mädchen Träumt Von Sandosa

厚みのあるドラムが一定のリズムでこちら側に近づいてくる。ギターはガサガサとしたノイズへと変貌。メインとなるギターとドラムは音圧を増していきヘヴィなサウンド。曲の中盤では演奏会のような明るくテクニカルではないピアノと飛行機がそこに墜落したような音がコラージュされる。
そして再び一定のリズムを持ったドラムとギターノイズ。
2つの振り子のようにギターとドラムが別の周期で演奏ようでたまに動きが合致する気持ちの良さ。終盤に向けて盛り上がりを見せるボーカル。ひたすら一定のリズムを反復させるところはジャーマンプログレらしい。

 

2. Kaskados Minnelied

ギターの美しいメロディが右から聴こえてくるが、左側では不穏な弦楽器が鳴らされる。

 

3. Mama Düül Und Ihre Sauerkrautband Spielt Auf

呪術的なボーカルと淡々としたドラミング。急にドラムのサウンドが大きく変化。最後の方はノイバウテンのようなDIYインダストリアルなサウンド 急な幕切れ。

 

4. Im Garten Sandosa

祭りのような盛り上がりを見せるメロディ。次第に、繊維がほぐれていくように段々とそれぞれの楽器が主張を強めながら、一体感をなくしていく。リズムもより単調なものへと変化していく。中盤以降はポリリズム的な楽器のアンサンブル。決してカオスになることはなく、むしろ心地よさを感じる。この曲のみならず、ドラムの影響力が大きい。

 

5. Der Garten Sandosa Im Morgentau

オペラのような荘厳さを感じる。耳元で囁くかのようなボーカルのギャップ。儀式的にも感じるコーラスと反復のリズム。
傍から見ていたはずが自身が見つかり、当事者になりサウンドに飲み込まれる。
自身が生贄にされるのではないかという緊張と儀式の終わり。ラストは再び盛り上がりを見せるが不穏な逆再生。

 

6. Bitterlings Verwandlung

一瞬の合唱。そして新たに始まる儀式。フェードインする合唱。その後ろで力を強めるノイズ。全てが渦になり消えていく。

 

まさにアルバムタイトル通りの作品でした。

皆さんもぜひ聴いてみてください。ご覧いただきありがとうございました。

次回はAmon Düül Ⅱです。お楽しみに!

 

twitter : @koemushi__