地下音楽通信

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NWW List 全部聴く第10回 Anima-Sound - Musik für Alle

ご覧いただきありがとうございます。

 

この企画もとうとう10回目です。まったくアクセス数は増えませんが、これからも自己満足で更新していきます。 Musik für Alle

 

今回はAnima-Soundです。またまたクラウト・ロックです。

 

Anima-Soundはクラウト・ロックとフリージャズ周辺で活躍したPaul & Limpe Fuchs夫妻のデュオです。

 

彼らはその後、Animaへと発展していきます。

 

そして今回はAnima-Soundの代表作である Musik für Alleを紹介していきます。

 

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アートワークがすでに60年代前衛音楽的な雰囲気を感じます。

 

1. N Da Da Uum Da

 

呪いの音楽を聴いているような危うさ。女性版灰野敬二のような奇妙さ。そこにはメロディもリズムもハーモニーも必要としない。

多種多様な電子音が奇妙さを増幅させる。声にもエフェクトがかけられ、自然な状態から離れようとしている。情緒不安定の男性の叫び声が深刻さを演出しているよう。

様々な打楽器のみがリズムよく鳴っていて心地良いがその時間もすぐに過ぎ去り、再び不穏な雰囲気へと引き戻される。ただそれの繰り返し。

 

2.  Traktor Go Go Go

不気味な音響であることに変わりはない。呪いのようなボーカル、リズムなどの音楽的要素を無視した演奏、さらに奇妙さを増すエフェクト。

恐らくこれまで聴いた10組の中でもぶっちぎりで前衛的である。もはや前衛的という言葉で片付けて良いものかという疑問も出てくる。

なんの音楽にも左右されることなく、地盤など存在せず、全てがオリジナルである。演奏と同時に消えていく過去の音にも影響されず、常に変化している。まさに新たな音楽が常に生まれており、我々はそれを観察しているのだ。

先が全く予想できず、これこそが真のエクスペリメンタルであり、音楽の時間芸術という側面を最大限に活かしている。

 

皆さんもぜひ聴いてみてください(いや、聴かなくてもいいかもしれません笑)。

ご覧いただきありがとうございました。

 

次回はAnnexus Quamです。