地下音楽通信

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NWW list 全部聴く 第三回 Älgarnas Trädgård - Framtiden är ett svävande skepp,förankrat i forntiden

ご覧いただきありがとうございます。

今回はÄlgarnasTrädgård聴いていきます。

まず、

バンド名をググったときに日本語の記事が出てこない!

Pekka Airaksinenの時から薄々感じていたのですが、NWW Listのアーティストは自国でも無名の集まりなので遠い日本で記事が書かれることのほうがレアなのだなと...

ウィキペディアの数行しかない情報によると、スウェーデンサイケデリックプログレッシブロックバンドのようです(このワードはこれから100回は書きそう)。

バンドの写真を見るとメンバーは6人~8人だと思われます。今回聴くアルバムは6人編成でバンド活動時の唯一作となります。

 

今回聴くアルバムは『Framtiden är ett svävande skepp,förankrat i forntiden』です。この作品は1972年に発表されたものです。ちなみに2001年に1973~1974年に計画されたフルアルバムの編集盤が発表されています。

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このアルバムの特筆すべき曲は1曲目です。

1.Två Timmar Över Två Blå Berg Med En Gök På Vardera Sidan, Om Timmarna ... Alltså

この曲は13分と長尺の曲(プログレとして普通)で、再生すると鐘の音が鳴り響く。アコースティックな演奏かと思えば、急に反復の電子音が始まる。しかし演奏される楽器はクラシック楽器のようで、奥行きのある音の響きが電子音との違和感を感じさせる。クラウトロックっぽさの次には民族音楽的な音の流れがなんとも気持ち悪い。しばらくするとRushの『2112』のような近未来的なサウンドが響き、一瞬Beatlesがサンプリングされたりと、とにかくごちゃごちゃしている。

 

2.Det Finns En Tid För Allt, Det Finns En Tid Då Även Tiden Möts

2曲目は1曲目とつながっており民族音楽的な笛の演奏からはじまる。途中で学校のチャイムのような鐘の音が鳴ると、インドのシタール中心の演奏がはじまる。またしばらくすると弦楽器?の落ち着いたメロディへと移り変わる。この目まぐるしい変化が6分間で行われる。

 

7.Framtiden Är Ett Svävande Skepp, Förankrat I Forntiden

アルバムの最後のナンバーではホラーゲームの地下室で流れるBGMかのような不穏な雰囲気が5分間続く。なんとも気持ち悪いアルバムの終わり方だが、アルバムの最後にこう言った曲を持ってくるのが実験音楽らしい。

 

とにかくひたすらにごちゃごちゃしたアルバムでした。こういった実験精神は現代にも受け継がれいるはずですが、このアルバムは現代のアヴァンミュージックを聴く身からすると退屈に感じました。しかし、1972年にここまで前衛的なロックを制作しようとしたことから、この作品が前衛音楽の古典として重要なものであることは間違いないはずです。

 

以上 Älgarnas Trädgård の『Framtiden är ett svävande skepp,förankrat i forntiden』の紹介でした。次回はAlan Sondheimです。

最後までご覧いただきありがとうございました。